026 材料:素材のカタチを知ろう!

1. 流通している材料のカタチとは

機械部品を設計する際に、流通している材料をうまく活用する事は、コストを抑え、品質を安定し、納期を短縮するのに非常に重要なことですね。

金属材料などでは、ブロック材、板材、棒材、パイプ材、型材など、様々な形状の規格に合った材料が流通しています。

それぞれの詳細は今後ご紹介しますが、まず今回はどのような形の素材が流通しているのか概要をお伝えします。

2. ブロック材

フライス系の切削加工には、主にブロック材が用いられます。

ブロック材
ブロック材

ブロック材は、材料業者などで大きな板材から6面切り出されて作成されることが多いですね。

バンドソー等で切り出された材料面は、ノコ切断などとも呼ばれます。
表面が粗く、加工精度も高くありません。

必要な部分にフライス加工を施した面をフライス仕上(F)と呼びます。
表面がフライスで削った、寸法精度が良く、きれいな面となります。
概ね±0.01~0.02mm程度の精度です。

更にきれいな表面や寸法精度が必要な場合は、研削加工を施した研削仕上(G)を指定します。
±0.01mm以下の精度が指定できます。

一般的に製造現場から加工業者に対して、材料寸法を指定して手配されます。
この時、寸法だけでなく、仕上方法を指定するのが一般的です。
6F材は6面フライス加工、4F2Gは4面がフライス加工で、2面が研削加工といった具合です。

また、アルミ材の場合は、上下面の寸法精度の良い材料(ハイプレートなど)から切り出す事も可能です。
この場合、元とな板厚規格に合わせた設計としておくと、材料の切り出しで上下面を削らなくて済みますので、コストダウンや納期短縮に繋がります。

3. 板材

板金加工で一般的に用いられるのが板材です。
材質によって板厚や定尺寸法が決まっています。

板材

規格の寸法は、3x6(サブロク)、4x8(シハチ)、5x10(ゴットー)、メーター板などとも呼ばれます。
3x6 : 914 x 1,829mm
4x8 : 1,219mm x 2,438mm
5x10 : 1,524mm x 3,048mm
メーター板: 1,000mm x 2,000mm

レーザーカットやタレットパンチなどの抜き加工では、この定尺板をそのまま機械に乗せて加工するのが一般的です。

4. 棒材

丸棒、角棒、六角棒、フラットバーなど、決まった断面を持つ長い材料が規格材として流通しています。
素材の長さは4mや5.5m等、材質や規格によって決まっています。

棒材
棒材

丸棒は、格子のような形状に用いられたり、シャフト形状などの素材として旋盤加工に用いられますね。
規格の材料寸法を知っていれば、材料寸法から少し小さい数値で設計すると、削り量が少なくて済みます。

角棒は簡単なブラケットなどに用いられますが、フラットバーは非常に汎用性の高い素材です。

断面の規格寸法を覚えておくと、合理性の高い設計が可能です。

5. パイプ材

一定の肉厚を持つ丸や四角など中空のパイプ形状が流通しています。

パイプ材
パイプ材

丸パイプは断面が円形で一定の肉厚を持った材料、四角い断面を持つ材料です。
製缶加工に良く用いられ、架台などの構造物に利用されることが多いですね。

肉抜きされているので、軽量で剛性の高い構造物を実現できます。

パイプ材は、薄い板を曲げて溶接して繋いで作る溶接パイプが一般的です。
丸パイプの場合は、シームレスパイプと呼ばれる溶接のつなぎ目の無い一体形状のパイプ材も存在します。
シームレスパイプは比較的肉厚のパイプが多く、旋盤加工などにも用いられます。

6. 型材

L字のアングル、C字のチャンネルなど、決まった断面形状を持った長尺材料も多く流通しています。

型材
型材

これらの材料は、型材と呼ばれていて、材質ごとに一定の規格形状が流通しています。

製缶部品などで構造部材として用いられるほか、その形状を生かして取り付け用のブラケットや、レール等にも用いられますね。

流通している材料の種類や規格を把握しておくと、合理的な設計に繋がりますね。
まずは今回どのような規格の種類があるのかという概要をお伝えしましたが、別の記事ではそれぞれの材質、種類ごとの規格寸法をご紹介していきます。

是非ご一読いただき、無駄のない合理的な設計にお役立てください。

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